Cattleya bicolor

Cattleya bicolor normal type


Cattleya bicolor alba form
カトレア・ビカラーは、ブラジル東海岸沿いのサンパウロ州、リオデジャネイロ州、ミナスジェライス州、ゴイア州にかけての海岸山脈の中腹より上部及び内陸の山地に分布する。代表的な自生地は、ブラジルきっての蘭の宝庫と言われるリオデジャネイロ州オルガン山脈の、標高600m〜1200mに分布する雲霧林の中である。川岸に帯状に分布する渓畔林の樹木に着生しており、こけむした岩に着生していることもある。

典型的な二枚葉カトレアで、産地によって大きさや花に変化があり、バルブの高さも25cm〜90cmと差が大きく、まれに130cmあまりの高さになるものもある。我が国で流通している株は、太さ1cm長さ60cm前後のバルブのものが多い。花は、写真のように、チョコレート色の花弁と派手な赤紫色のリップが特徴であり、甘い香りを発する。同じような地域に生育するカトレア・ワーネリーのような華やかさはないが、野性味のある力強い感じのする花である。通常、NS:8cm前後の花を1花茎に2〜6個付けるが、良くできると10ぐらい花が付く。花持ちは比較的良く、2週間は鑑賞することが出来る。

栽培は、コルク付け、小型の鉢にミズゴケないしバークで植え付け、中温で管理する。自生地では、冬季(ドライシーズン)、5℃ぐらいまで気温が下がることもあり、これが休眠期になる。一方、自生地の夏(雨季)は、霧と川から水分で非常に高湿度な環境になり、日中は30℃以上の気温になることもあるが、夜間は20度以下まで気温が下がる。従って、夏期、夜温が下がりにくい環境化で栽培する場合は、通風とシリンジングが欠かせない。二枚葉カトレアというと強光を好むイメージが強いが、上記のような自生地の環境であるため、ビカラーは30%〜50%程度の遮光下で栽培する。我が国での開花期は8月〜9月である。

カラーバリエーションは、少なく、花弁のチョコレート色がはっきりしているものやスポットのあるもの、緑弁白リップのアルバ、が知られている。交配種では、第2世代の交配で219種あまりが登録されている(1997年時点)。

下の写真は、C.guttataとの交配であるC.Mrs.mahlerである。

参考文献
1: Orchids of Brazil ( Jim & Barbara Macqueen)
2: Die bifoliaten Cattleyen Brasiliens (Guido J.Braem)
3: 蘭の王国・ブラジル大紀行


Cattleya Mrs.Mahler(C.bicolor X C.guttata)

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