今月の花  Cuitlauzina pendula


 Cuitlauzinaはメキシコに固有の1属1種の着生蘭である。属名はメキシコItzapalapaの知事Cuitlautzinに因んで命名された。この1属1種の属は1824年にLa Llave とLexarzaによってC. pendulaを基に記載された。しかしながら、その後、この種はヨーロッパの植物学者たちによってOdontoglossum, Oncidium, Lichterveldiaの種として再記載されたので、Cuitlauzina pendulaであることが見逃されてしまった。
 Halbingerが1975年にCuitlauzinaを復活させ、その後、その舌をもつれさせるような発音にもかかわらず、広く採用されてきた。かれは下垂する花梗、短い3翼のリップ、基部の側裂片を欠く爪のあるリップを有するために、Ticoglossum Osmoglossumのような類似の属とCuitlauzinaを区別した。

写真は白石洋ラン園提供
蘭友会写真部
 ランの交配登録では、現在でもOdontoglossum属とされている。
 花梗は下垂し、長さ1メートルにも達する。セパル、ペタルは白色、リップはピンクの花は華やかで、香がある。 多くの人々に好まれるこの美しい蘭は、メキシコのValladolid近くのJesus del MonteでLa Llave とLexarzaによって発見され、記載された。James Batemanが1874年にそれをOdontoglossumに移した。長年この蘭はLindleyが名付けたOdontoglossum citrosmumという名前で知られていた。
(松井記)
 

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