「世界らん展日本大賞2005」は2月19日(土)〜2月27日(日)を会期として、東京ドームで開催された。一般公開の前日18日(金)には16時15分からオープニングセレモニーと特別内覧会、18時から一般内覧会が行われた。
 オープニングセレモニーは服部真湖さんの司会で進行、先ず主催三団体(読売新聞社、NHK、世界蘭展組織委員会)を代表して、渡辺恒雄読売新聞社会長が、「1991年から始まって15回目、24の国と地域から参加され、らん10万株と40万人を超える人が集まる祭典となった」。との開会の挨拶、続いて高円宮妃殿下からご祝辞と、今回のディッシュ・ディスプレイにご尽力いただいた、カナダ、エチオピア、フランス、ニカラグア、パキスタン、カザールの六ヶ国大使夫人に流暢な英語で謝辞を述べられた。次に小泉首相の祝辞を杉浦官房副長官が代読され、アートムーアAOS新会長が、当らん展の審査委員長として初めて見る日本の蘭展を褒め称えた挨拶があった。
 来賓並びに主催者側の紹介があり、16時40分司会者から世界らん展の賞構成の説明が行われた後、部門1個別審査部門から部門6寄せ植え審査部門までの最優秀賞が発表され、受賞者に東京藝術大学名誉教授西大由氏デザインのトロフィー、賞状、賞金が授与された。
  日本大賞にはアマチュア三人目となる、古山勝己氏(蘭友会会員)出品のDen.cuthbertsonii 'Gold Mountain' が選ばれた。橋本NHK会長よりトロフィー、賞状、賞金が渡され、副賞として(株)ヤナセからベンツC180のゴールデンキーが贈られた。


テープカットで、いよいよ開場


 各部門の最優秀賞の表彰を終えて、ファンファレーが鳴り響き、福原、橋本、渡辺、島津貴子、アート・ムーア、ジョイス・スチュワート、ヘンリ・オークリー氏によるテープカットが行われ、音楽に合わせて式場の背景をなしていた扉が開き、列席者が会場内に歩み入って特別内覧会となった。
★ 個別審査部門
 日本大賞 Den. cuthbertsonii‘Gold Mountain’

 何度かこの種は蘭友会のイベントにも出品されたが、今回の作品は、極めて鮮やかな赤とオレンジ色の良花を、70輪以上付けて鞠のように咲き誇っている素晴らしい作品であった。見る人にとっても一般には余り見かけないこの属種、ランの多様性を認識してもらえたのではなかろうか。




日本大賞



古山勝己 (蘭友会会員)


個別審査部門で、日本大賞以外の蘭友会会員の上位入賞者は下記の通り。
奨励賞 (併せてトロフィー賞)
Cym. Dorothy Stockstill‘Forgotten Fruit’若林光男
Cym. Lianpan(蓮弁蘭)‘Unnanmadoka’ 中村好一
★ フレグランス審査部門
 最優秀賞 Blc.Vermonts Green Mountains
‘Tomei’  鈴木宏美
沈丁花のようなフレッシュなグリーン感と、ローズ、ジャスミン様のフローラル感のある上品な香りで、みずみずしい、新鮮さが感じられ、審査員の圧倒的に高い評価を得た。
 ★ディスプレイ審査部門<オープンクラス>
 最優秀賞 オーキッドセレナーデ 千葉洋らん生産者組合
 大自然の中で咲き誇る、色とりどりの華やかなランが 奏でるメロディーに耳を傾けながら、ランの美しさと魅力を感じ、優雅なひとときを味わっていただきたい。との意図だそうで、生産者ならではの多量の揃った花を、門形に組んだ古木につけた毎度お馴染みの展示。
★ ディスプレイ審査部門<愛好家クラス>
 最優秀賞 花さかドラちゃん 横須賀洋蘭クラブ  童話キャラクターを題材に、子供たちに一目で分かる展示を心がけた、と同時に自然の大切さも呼びかけたかった。という地面にシンビほかのランを配し、脇にドラエモン人形を置き、3本の潅木にデンドロ、オンシの小花を一面につけ、全体を黄色を強く出した作品。後方のJOGAの借景がよく効いていた。

 優秀賞 ランに乾杯 蘭友会
古木や苔を一面にあしらった自然派のディスプレイの 多い中、シャンパングラスをピラミッド形に重ねて、上部から水を流した。あの場内ではいやおうなく目に付く作品。4千余個のシャンパングラスが20段、4mのタワー2基に重ねられ、上品にランの小花が散りばめられた。その爽やかな透明感が受け入れられていたようでうである。会員女性チー ムが企画から展示まで活躍した作品であった。



 ランに乾杯

 

★フラワーデザイン審査部門
 最優秀賞 春の織音 千葉貴美子  フラワーアレンジメント講師をしている作者が、柳の枝をしならせて作った土台に、胡蝶蘭などをあしらい、 着物のすそ模様が、軽やかに動くイメージにしたかったという。
 ★ 美術工芸審査部門
 最優秀賞 デンドロビューム スーパーバム 後藤裕子
 やはりカルチャー教室講師の作者が、弓状に長く咲いたスーパーバムを紙面いっぱいに収めることが出来て迫力が出た。と話す。
★ 寄せ植え審査部門
 最優秀賞 ヴィーナス誕生 座間洋らんセンター  イタリアを旅した時の印象という、白い大きな貝殻を中央下に置いて、苔むした古木に小型のランを飾った。フィレンツェのボッティチェリの同名絵画イメージ・・・という。

(文責 香川)

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