5月例会報告 (5月のコンテストの結果)
例会委員会
 大型連休が終わっても、最低気温が15℃に達せず、DendorobiumやCymbidium以外は戸外に出すことが躊躇われるような日々がようやく終わりを告げた22日(第4日曜日)、信濃町の東医健保会館において5月例会が開催された。
 恒例の第3日曜日でないこともあってか、出席者の出足も鈍く、定刻に10分遅れて松澤例会委員の司会進行で開会された。


例 会 風 景

 山谷会長から今日もゆっくりとお楽しみ下さいとの挨拶に続いて各委員会からの連絡報告事項に移る。例会委員会は松井委員長から、6月は19日(第3日曜日)に江戸東京博物館で開催すること、久々に江尻宗一氏をお招きして、「ペルーとエクアドルの自生地」をテーマに講演をして頂く。最近話題のPhrag. kovachiiについてもお話が伺えること、及び7〜11月の例会予定について連絡があった。

 研究委員会は石井委員長から今月のGC苗Paph. venastumについて、会員の峯田美智子氏の育種による苗であることが紹介された。また01年11月に配布されたGC-01-11 C. trianaeiの苗が交配種であることが判明、当時研究事業委員長であった柏渕氏のお骨折りで、代替苗としてC. trianaei ‘Slendar’ x var. coeruleaの苗を頂いた。GC-01-11を購入された方にお配りするのでお申し出下さいとの連絡。  事業委員会は清水委員長から6月26日の見学会について、湘南平塚方面(国際園芸、相模洋蘭園、中外植物園、ハタオーキッド、ヒロタインターナショナルフラワー)を見学すること、会費は3,000円、今月と来月申し込みを受け付けるとの連絡。総務、会計、広報、会報の各委員会からは特に無く人気投票に移る。人気投票の間に審査担当者により特別賞の選定が行われた。


審 査 風 景

 約40分の人気投票時間の後再開。メイン行事の「夏越し、自分流のご披露」に先立って、司会の松澤氏から、長年会員の有志が夏越しのために山上げを行っている中軽井沢の山上げ場所に6区画(1区画=メッシュトレイ5個分)の空きがある。期間は6月中旬から9月下旬、費用は1区画3,500円。利用希望の方は研究委員会直井さんに申し出てくださいとの紹介があった。阿瀬志郎、斉藤保、佐藤攻、清水達夫、鈴木隆夫、多田惣吉、中村好一、脇本正勝の各氏から「夏越し、自分流のご披露」があった。

 阿瀬氏からは船橋市の郊外で、戸外に出し、50%の遮光下で、全株吊るして夏越しをする。高温障害を避けるために水遣りは夜間とのお話。斉藤氏からは、茨城県の利根川に近いところに住んでいるので、真夏でも熱帯夜は少なく、全株戸外に出して夏越しをしている。暑がるものについては香川さん、脇本さんと同じ場所に山上を 行っているとのお話。
 
 佐藤氏からは、山梨県の相模川上流にあたる場所に住居があり、日中温度は東京と変わらないが夜温が下がるので、特別なことはしていない。気温が10℃を割ることが無くなったら戸外へ出すようにしている。山間部なので、晩霜の恐れがあるので連休中は戸外に出すことが出来ないとのこと。清水氏からは、屋上温室で栽培しているが、暑がるものについては1.8坪のエアコン付きの温室と山上げの併用で栽培している。先日たまたま日中に屋上に上がったところ、エアコンつき温室の温度が42℃になっていた。室外機のトラブルが原因であった。以前にも冷気の噴出し口が凍結し、植物が冷害を受ける事故があった。エアコン頼りは要注意です。最もクールのものは軽井沢ではよく育たない。これまで目に付くものは何でも一通りやってみましたが、最近は株を選んでいる。クールタイプ以外のものは半数が温室外、半数は室内のままであるが、屋上なので風通しが良く乾燥する。水遣りは夜間行っているとのこと。

 鈴木氏からは、ビルの4〜5階を利用して手作り温室で栽培していることが略図を書いて紹介され、温室内には散水装置が備えられ、30分で潅水が終了できるようにしていること。株を購入する際には同種株を3株購入して、3箇所の異なって位置において、温室内のどの位置がその種に適しているかを調べているとのこと。防風ネットを張って屋上温室にありがちな強風の被害を防ぐとともに、扇風機を多用して室内の通風を図っていることなどが紹介された。

 多田氏からは暑がるものは作らないという方針でやっておられること。温室内に幾つかの温度計を置き、温室内の位置による温度の違いに留意していること、二重鉢による鉢の温度変化について調べてみたが、素焼き鉢よりもプラ鉢のほうが温度差が大きい。プラ鉢に包帯を巻くと効果があるとのお話。中村氏からは、習志野市にお住まいで、東洋蘭が中心であるが、株の性質に応じてベランダ、前庭、裏庭、半地下の4箇所に分けて株を置いているとのお話。脇本氏からは池袋に近い豊島区に住んでいるので、暑すぎる夏を過ごすために山上げを行っているが、涼しさを好むものは大変よく出来るとのお話であった。
 私の拙い文章ではその全てをご紹介出来ないのが残念ですが、お話を頂いた皆さん夫々に栽培に様々な工夫努力をされていることが良く分かり、今後の栽培に役立つお話ばかりでした。「夏越し自分流」をご披露くださった皆さん有難う御座いました。

 メイン行事後の株市は、事業委員会上野氏がせり台に立たれて、遥々北海道からお送り頂いた小山さんの寄付株から始められた。原種を中心に、かなりの数の株が出品されていたが、花付き株には買い手が集中したが、それ以外は買い手が付かず、完売のため上野氏が大変苦労しておられた。新入会員が少なく、会員の皆さんの温室が既に満杯状態になってしまっていることが最近の株市の売れ行きに影響しているのでしょうか?


株 市

 株市を終えて、出品花の品種解説に移る。解説は出品者にお話を伺う形で行われた。お話の全てを紹介することはとても出来ませんので、私の好みに合わせて幾つかを紹介させて頂きます。
最初に取り上げられた平鉢植えのC. nobiliorについて、笠川氏から両親共に優秀個体であるが、必ずしも良い花が咲くとは限らない、また平鉢は乾きにくいので、植え込み材料に水苔とクリプトモスの混合を使用していることが紹介された。
続いて取り上げられたのは石井さん出品のDen. farmerii。名前を聞いて誰もが想像するDen. farmeriiよりも遥かに小型の株で、「作りが悪いのか、株の性質なのか分からない」とのお話。
萩原氏出品のSedirea japonica(名護蘭)について、出品者から栽培法を教えて欲しいとの質問があり、 上野氏から毎年新しい鉢に新しい水苔で植え替えてやること、中高に植え込み、乾湿の差をつけて栽培すると良いとのお話があった。
柏渕氏出品のPaph. armeniacumについては、一昨年まで冬季暖房の入る場所に置いていたら花が咲かなかった。暖房の無い所に置くようにしたら花が咲くようになったとのこと。栽培賞受賞の香川氏出品のPhal. parishiiは温度20℃の温室の入り口の上に吊るしてあり、ほったらかしとのことであるが、株がしっかりと出来て可憐な花を沢山付けていた。
多田さん出 品のCapanemia uliginosaは作りにくい種であるにもかかわらず、かなりの大株で木に付けられており白い小花を穂状に咲かせていた。1日おきの水遣りで、株元から離れた場所に水をやるようにしているとのことであった。
池上氏出品のTricoglottis roseaは以前栽培賞を受賞している株であるが、ヘゴ付の大株で長く下垂したバルブに可憐な花を無数に付けて見事。同じ池上氏出品のAcanthephippium sp.は良く見かける黄色地に赤が入る花色ではなく、白地に薄紫色の筋が入る清楚な感じの花を咲かせていたが、キャメロンハイランドでの採取品とのことであった。
峯田さん出品のC. loddigesii ’Kintaro’は素晴らしく濃色で、花形も良く良個体賞受賞、峯田氏ご自身の交配によるもとのことであった。
笠川氏出品のC. violacea ‘Muse’,FCC/AOSは流石に素晴らしい花であったが、同氏のお話では毎年咲かせない方が良い花が咲くとのこと。
香川氏出品のDen. harveyanumは以前に会でGC苗として配布したものに比べて遥かに大型であった。この株には種名のラベル以外に、原産地とその標高を記載したラベルが付けられており、約50種のDendrobiumの管理に利用しておられるとのお話であった。途中大分省略をしましたが、香川氏の話を最後に出品花の解説を終わり、入賞花の発表・表彰を行って16時05分閉会、解散となった。
閉会後、各委員会が行われた。
(文責:松井紀夫)
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